翠緑のエクリ

神奈川県在中。主な関心は哲学、倫理です。

社会科学

ショーペンハウアー「読書について」_読書から普遍的歴史へ

古典かつ適切な分量 2022年から友人と開始した読書会,記念すべき1冊目はショーペンハウアーArthur Schopenhauer(1788-1860)の『読書について』(岩波文庫,斉藤忍随訳)となった. 前回のエントリーの問題意識を踏まえつつ,まずは時間内に読める分量の古典か…

【書評】アメリカの反知性主義/リチャード・ホーフスタッター

かつて社会を先導する役目を追っていた知識人は,特権階級として嘲笑される存在になったのか.アメリカの反知性主義を手がかりに,インテリゲンツィアのあり得べき姿を考える.

【書評】カント「啓蒙とは何か」-哲学と啓蒙は私たちを魅了する

短い論文ながら,理性と自由を世界史的プロジェクトへと昇華したカントの著作.啓蒙のプロジェクトは,果たしてその役割を終えたのか?その魅力と現代の意義をもう一度考える.

【感想】フランク・パヴロフ「茶色の朝」

「きっとかれは正しいのだろう。 あまり感傷的になっても仕方がないし、犬は茶色がいちばん丈夫というのはたぶん本当なんだろう。」空気を読むことの意味.寓話から読み取る全体主義への警鐘.

【書評】制度でも衰退でもない経済の未来(2/2)―「経済成長という呪い」ダニエル・コーエン

経済という成長という希望と解放のの物語は,「必要」からやがて「脅迫的義務」へと変化する.人口減少や資源の有限性は,私たちに別の経済社会の在り方を訴えてはいないか.

【書評】成長でも衰退でもない経済の未来(1/2)―「経済成長という呪い」ダニエル・コーエン

イノベーションを初めとする経済成長戦略は,果たして人類を幸福にするのか.技術革新の人類史から振り返る,我々の社会のネガティブとポジティブ.

【感想】持てるものが持たざる者を助ける―日本の税金(第3版)

日本の税金は本当に高い?資本主義が格差の拡大を前提とした仕組みであるとしたら,税は何のための義務なのか.日本の税法から考える.

【書評】生きづらさを語る作法とはー「コミュ障」の社会学

かつて神経症と言われていた不登校は,フリースクール等の新たな選択肢により社会に受け入れられたかにも見える.「ダイバーシティ」,「多様性」は子どもたちを幸せにするのか.